1.便秘改善
腸管には100種類100兆個の腸内細菌が棲息しています。これらの細菌は食物の消化・吸収を助け、病原性微生物の侵入を
防御し、また変異原性物質等の有害物質を無害化する作用もします。しかしながら、ストレス、加齢、不規則な生活等により
腸内細菌の菌叢のバランスが崩れ、いわゆる悪玉菌と言われるウェルシュ菌や大腸菌等が増加し、健康を維持することが困
難になります。糞便の排泄は大腸の重要な機能です。慢性の便秘になると腹部膨満感、痔疾患、吹き出物等の原因にもなり
ますが、大腸がん、乳がん等の疾患との関連性も指摘されています。乳酸菌は乳酸を産生し、大腸平滑筋の運動を亢進し、
排便を促します。乳酸菌の経口投与は加齢と伴に崩れる腸内細菌のバランスを改善し、善玉の腸内乳酸菌を増加させ、乳酸
の産生を促します。
2. 有害菌・病原菌の抑制
腸管には有用菌として乳酸菌、ビフィズス菌、有害菌として大腸菌、ウェルシュ菌、クロストリジウムなどが棲息しています。
有害菌が増殖すると腸内では、アンモニア、硫化水素、フェノール、インドール、p-クレゾール等の腐敗物質等が発生します。
これらはいわゆる腐敗物質で、人にとって好ましい物質ではありません。便秘になると食物の滞留時間が長くなり、腸内腐敗
が亢進します。腐敗物質は人の健康には有害ばかりでなく、その臭いも気になるところです。乳酸菌はこれらの有害菌・病原
菌の抑制し、腸内の菌叢を正常に保ち、さらにこれらの有害物質を吸着し、排出する働きもあります。
3. 乳頭の吸収性向上
日本人の食生活が西洋化し、乳糖不耐性症は低下する傾向にありますが,
それでも成人の20-25%は牛乳飲用により腹部膨満、腹痛、腹鳴、下痢症状を呈すると言われています。牛乳を乳酸菌発酵
によって乳酸菌由来のβ-グルコシダーゼの作用により、乳糖をグルコースとガラクトースに分解し、腸管からの消化吸収が促
進し、これらの症状は改善されます
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